「実は、世界的絶景ヨセミテにも負けない景色が、群馬にもあるんだよ。」と見せてもらった1枚の写真。中央にそびえる妙義山のカッコよさと爽やかな風に誘われて、この場所へ行ってみることに。せっかくなので、様々な妙義山の表情を見てみようとぐるっと周遊ルートを計画し、いざ出発です。
9:00 JR高崎駅周辺からスタート
高崎駅周辺はレンタカー営業所がいくつもあるので、群馬県外からの妙義フォトトリップの発着点としてもオススメです。それでは、県道71号線で富岡方面を目指し出発!城南大橋で烏川を渡り、中山峠を越え、国道254号バイパスを吉井―甘楽―富岡とひた走り妙義山のふもとへ向かいます。ちなみに甘楽のあたりでは、この時季は黄金色に輝く田畑と青く広がる空のど真ん中を突っ切る爽快ドライブを楽しめます。
10:00 【PANNA -パンナ-】富岡のパン屋さんでランチ調達
PANNA 富岡市神成452-5 8:00~19:00 月曜定休
妙義山のふもとへ向かう途中、富岡市神成のパン店【PANNA-パンナ-】に寄って今日のランチを選びます。 自家製天然酵母の各種フランスパンが看板商品で、噛むほどに豊かに味が広がります。このフランスパンで挟んだサンドイッチも種類豊富でピクニックにぴったり。そのほか、しっとりもちもちの食パンや、バター香るデニッシュペストリーも人気です。 ちょうど私たちが訪ねた時間帯がベストタイミングだったようで、各種パンが焼き上がり、店内にずらりと並べられていました。
さて、再び国道254号バイパスを行き、二手に分かれる〈比佐理橋北〉の交差点を右手に行き妙義町方面へ。このあたりから妙義山がぐんぐんと近づき、角度を変えながら様々な姿を見せてくれるので、ますます胸が高まります。小気味よくカーブを曲がり里山の道を行くと、名もなきすてきな風景を見つけたのでしばし小休止。
10:40 【大桁緑地公園】恐竜とピクニック&フォトシュート
妙義町〈北山〉の交差点を南へ行き山道を登ると今回の絶景ポイント大桁緑地公園に到着です。妙義山の南東に位置する大桁山のふもとの湖に整備された公園で、この湖越しの眺めがあの絶景写真なのでした。
大桁緑地公園 富岡市妙義町菅原2836-1
これは10月初旬の大桁湖と妙義山です。これから紅葉の時季を迎え湖周辺が色づくと、いつもの荒々しく剛健な妙義山の姿に加え華やかさや色気も増し、この時だけのカッコよさを見せてくれるでしょう!公園内には桜やつつじなど色々と植えられているので、季節ごとに表情の違う妙義山を眺めてときめきをもらえそうです。
どこでサンドイッチを食べようかな、と湖のほとりを進むと…
うぉ!
ここ大桁緑地公園は”恐竜の里”とも呼ばれていて、公園内に鎮座するティラノサウルスやディプロドクスなどのモニュメントも来た人を楽しませます。長年にわたり公園を見守ってきたティラノさんたちは、昔は上ったりもできましたが今は老朽化のためできません。「なぜここに突如として恐竜?!」な状況を楽しみながら、眺めたりカメラで捉えたりして遊びましょう。
ティラノさんの脇にあるあずまやで湖を眺めながら、さっきPANNAで買ったサンドイッチを食べることにします。ちょっと気の利いたお皿やカップを用意すれば、さらに豊かなピクニック時間を過ごせるので皆さんもぜひお試しくださいね。
湖越しの絶景と恐竜、それ以外は”程よく何もない”ところが良い、知る人ぞ知る静かな公園です。半日くらいぼーっとしていられそう。
13:00 【妙義神社】もっと近くで妙義山を見たい!
もと来た道を妙義町〈北山〉の交差点まで戻り西へ。15分ほどで妙義山のふもとにある神社参道入口に着きます。 さっきまで「わーカッコいい!」とはしゃいだ気分でしたが、次第に近づき妙義山が大きくなってくると、やはりその荘厳さから畏敬の念も高まってきます。
妙義神社 富岡市妙義町妙義6
さあ、一番長い男坂で165段、全部で275段の石段を上り、本社へお参りです。
杉の根っこによって石段がうねったのか、はたまた根っこに合わせて石段をうねらせたのか。境内いたるところにある生命感と神秘さに、心がふるえます。
普段は意識していないことに気づくことができる、そんなところからも神社という場所の特別さを感じることができます。石段と向き合いながらそんなことを考えているうちに、ついに本社まで辿り着きました!
絢爛な装飾と、深淵な朱と黒の神殿。荒々しい岩山と端正なお社の美しいコントラストにただただ圧倒されます。本社に着いたちょうどその時、真昼なのに宵闇迫るような空模様に急変したのですが、光の変化により移りゆく美しさと神秘さにも心奪われました。
いつの間にかこんなに高いところに来ていたんですね。先ほどの大桁緑地公園もこの妙義神社も、ふんだんに妙義の自然石を使っているのでちょっとしたトレイル気分を味わいながら散策ができます。登山靴まではいかなくても、アウトドア系の歩きやすい靴で来るのをオススメします。
参道を下まで戻ると、眼前にそびえていた妙義山はすっかり霧で隠れていました。山の醍醐味、大いなる自然の力を感じながら神社を後にして、妙義山の北側をぐるりと回り松井田方面へ。妙義山とあわせて訪れたい絶景ポイントに向います。
15:00【めがね橋・碓氷湖坂本ダム】おやつ休憩からの夕陽
途中、玉屋ドライブインに寄って碓氷峠名物・峠の力餅でおやつ休憩。たくさん歩いたので、つきたて餡子餅のおいしさもひとしおです。
碓氷第三橋梁(めがね橋) 安中市松井田町坂本地内
そして中山道を15分ほど走りやってきたのは、かつて信越本線の行き来を支えた鉄道遺産・めがね橋。群馬で生まれ育った筆者、実はめがね橋に来るのは初めてですが、想像以上に大きくて驚きました。
”大きい”というのは物理的なことだけでなくて、当時の最高技術を結集したレンガ造りの美しいアーチや、近代化に邁進した人々のエネルギーが宿る圧倒的な存在感のせいかもしれません。
めがね橋のアーチをくぐると、森の小径から橋の上の遊歩道まで登って行けます。のどかに見えて地味にしんどい道のりを登りきれたのは、きっと力餅でパワーチャージしたおかげです。
日も傾き始めたので、来た道を5分ほど戻り夕暮れが美しい碓氷湖坂本ダムへ。やわらかい空を眺めながら今回のフォトトリップも締めくくりです。
碓氷湖坂本ダム 安中市松井田町坂本
日帰り1dayフォトトリップでしたが、日常の群馬からちょっと足を伸ばすだけで、まだ知らなかったすてきな場所にたくさん巡り会えました。今日のルートはこれから紅葉シーズンを迎えますます美しくなります。気になった場所があったら、皆さんもぜひ実際にお出かけして心ふるえる瞬間を切り取ってみてください。
またどこかの季節に、どこかの場所から、フォトトリップをお届けします。
※この記事は10月初旬に取材を行いました。取材地や道路など周辺状況について台風19号後の安全確認ができましたので公開いたしました。被害を受けられました皆さまに謹んでお見舞い申し上げるとともに、一日も早く穏やかな日常が戻ることを心よりお祈り申し上げます。